仁川・開港場を半日で歩くなら、坂は先に上って博物館は一館に
仁川駅からチャイナタウンと清・日租界境界階段を抜けて自由公園まで先に上り、下りながら博物館を一館と新浦国際市場に立ち寄る半日コースです。新しい区名と休館日のルール、昼食の行列を避ける順番もまとめました。

仁川の開港場を半日で歩くなら、仁川駅1番出口から出発して、坂を先に上るのがおすすめです。チャイナタウンを抜けて清・日租界境界階段と自由公園を先に歩き、下りる途中で済物浦倶楽部と博物館を一館見てから、新浦国際市場で遅めの昼食をとる順番です。休憩を含めて4時間半ほどかかります。出発前に曜日だけは確かめてください。月曜日は博物館と済物浦倶楽部がどちらも休みです。
この一帯の区名は2026年7月1日から変わりました。旧中区の内陸部と東区が一つになり、済物浦区(チェムルポ区)になっています。1 地図アプリや古い案内板に「中区」とあっても、同じ場所です。
まず曜日と時間を確かめます
開港場の博物館はどれも済物浦文化財団が運営していて、休みの日がそろっています。火曜日から日曜日まで開き、月曜日が祝日の場合はその日は開館して翌日に休みます。1月1日と、旧正月・秋夕の当日も休館です。2
開港場の場所別の開館時間と休み
- 場所
- 仁川開港博物館、近代建築展示館
- 開館時間
- 火 ~ 日 09:00 ~ 18:00、入場は17:30まで
- 休み
- 月曜(祝日なら翌日)、1月1日、旧正月と秋夕の当日
- 場所
- 済物浦倶楽部
- 開館時間
- 09:30 ~ 17:30、12:00 ~ 13:00は昼休み
- 休み
- 月曜、1月1日、旧正月と秋夕の連休
- 場所
- チャイナタウンの通り、境界階段、自由公園
- 開館時間
- いつでも歩けます
- 休み
- なし
| 場所 | 開館時間 | 休み |
|---|---|---|
| 仁川開港博物館、近代建築展示館 | 火 ~ 日 09:00 ~ 18:00、入場は17:30まで | 月曜(祝日なら翌日)、1月1日、旧正月と秋夕の当日 |
| 済物浦倶楽部 | 09:30 ~ 17:30、12:00 ~ 13:00は昼休み | 月曜、1月1日、旧正月と秋夕の連休 |
| チャイナタウンの通り、境界階段、自由公園 | いつでも歩けます | なし |
二つの博物館の入場料は大人500ウォン、青少年300ウォンで、12歳以下と65歳以上は無料です。チャジャンミョン博物館や韓中文化館まで5館を回るなら、大人3,400ウォンの統合観覧券もあります。3
仁川駅は首都圏電鉄1号線と水仁・盆唐線の終点です。1番出口を出て道を渡ると、チャイナタウン入口の牌楼がすぐ目に入ります。4 車の場合は、新浦洞とチャイナタウンの近くに今年開業した開港場公営駐車場(126台)を使えます。7月から有料になり、最初の30分が600ウォン、以降は15分ごとに300ウォン、1日の上限は6,000ウォンです。5
坂を先に上る順番にした理由
このコースは駅前から自由公園のある応鳳山(ウンボンサン)の丘に上り、博物館が集まる下の通りへ戻ってくる形です。足が元気なうちに上りを済ませておく順番にしました。昼食を市場まで遅らせたのにも理由があります。訪問者の口コミをまとめたサイトによると、週末はチャイナタウンの有名店で30分以上並ぶこともあります。6
午前10時に出発する半日の例
- 時間
- 10:00 ~ 10:30
- 場所
- 仁川駅、チャイナタウン
- 過ごし方
- 牌楼をくぐって通りを一回り
- 時間
- 10:30 ~ 11:15
- 場所
- 境界階段、自由公園
- 過ごし方
- 踊り場で休みながら上ります
- 時間
- 11:15 ~ 11:45
- 場所
- 済物浦倶楽部
- 過ごし方
- 12時の昼休み前に入ります
- 時間
- 11:50 ~ 12:50
- 場所
- 開港博物館か近代建築展示館
- 過ごし方
- どちらか一館をゆっくり
- 時間
- 13:00 ~ 14:00
- 場所
- 新浦国際市場
- 過ごし方
- 遅めの昼食
- 時間
- 14:10 ~ 14:40
- 場所
- 仁川アートプラットフォーム
- 過ごし方
- 旧倉庫の間を歩いて駅へ
| 時間 | 場所 | 過ごし方 |
|---|---|---|
| 10:00 ~ 10:30 | 仁川駅、チャイナタウン | 牌楼をくぐって通りを一回り |
| 10:30 ~ 11:15 | 境界階段、自由公園 | 踊り場で休みながら上ります |
| 11:15 ~ 11:45 | 済物浦倶楽部 | 12時の昼休み前に入ります |
| 11:50 ~ 12:50 | 開港博物館か近代建築展示館 | どちらか一館をゆっくり |
| 13:00 ~ 14:00 | 新浦国際市場 | 遅めの昼食 |
| 14:10 ~ 14:40 | 仁川アートプラットフォーム | 旧倉庫の間を歩いて駅へ |
時間は、ゆっくり歩いて休むことも見込んだ目安です。仁川市が紹介する開港ヌリキルには1時間・2時間・3時間のコースがありますが、1時間コースだけでも20か所以上を回ります。7 博物館の見学と食事を足せば、コース名の時間より長くなるのが自然です。
雨の日は自由公園を省いてもかまいません。境界階段の下から博物館までは100メートルもなく、博物館と済物浦倶楽部は屋内です。新浦国際市場の通路にはアーケードの屋根があります。月曜日は屋内の施設がほとんど閉まっているので、この順番は使えません。
牌楼をくぐってチャイナタウンへ
仁川チャイナタウン
- 仁川駅1番出口の向かい
- 通りはいつでも歩けます
チャイナタウンは、1884年に現在の善隣洞(ソンリンドン)一帯が清の租界になったことから始まった街です。8 当時は今の第1牌楼の前まで海水が入り込んでいて、交易に都合のよい場所に住み着いた結果、坂の多い街になったといいます。9 牌楼の先の通りが300メートルほど上り坂になっているのもそのためです。
通りには、韓国初の中華料理店とされる共和春(コンファチュン)の建物を生かしたチャジャンミョン博物館もあります。開館時間はほかの博物館と同じで、大人の入場料は1,000ウォンです。10 雨なら、韓中文化館の中にある仁川華僑歴史館も屋内で過ごせる場所です。2015年に開館した、韓国で初めての華僑専門の展示館です。11
このコースではチャイナタウンに30分だけ使います。チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺)が目当てなら、先ほどの口コミまとめが勧めるように、週末より平日を選んでください。

境界階段、左が清で右が日本
清・日租界境界階段
- 仁川市記念物
- いつでも通れます
- 無料
開港場には租界が三つありました。日本は1883年に現在の官洞と中央洞の一帯に約7,000坪の租界を設け、清は1884年に善隣洞一帯に約5,000坪の租界を置きました。12 自由公園のある丘の一帯は、欧米の国々が共同で使った各国租界でした。清の租界と各国租界は1913年に廃止されています。13
チャイナタウンの通りから丘のほうへ入ると、急な石段が現れます。二つの租界は、この坂道で接していました。階段は2002年に仁川市の記念物に指定されています。14 下から見上げると、左が旧清国租界、右が旧日本租界です。両側に並ぶ石灯籠も、片側は四角い中国式、反対側は蓮の形をした日本式です。15
ただし、今の石灯籠は近年になって立てられたものです。仁川トゥデイは、時代考証をせずに置かれたと批判する歴史学者もいると伝えています。16 同じ記事によると、階段ができたのは1880年代末から1890年代初めと推測され、もともと租界を分けるために造られた道ではありませんでした。道の両側に二つの国の建物が建ち並んだことで、境界の役目を果たすようになったのです。
冒頭の写真は、2022年10月21日の午後に撮影されたこの階段です。上に立つ白い石像は、2002年6月に中国の青島市から贈られた孔子像です。17 途中に平らな踊り場があるので、休みながら上ってください。
階段を上りきって自由公園へ
自由公園
- 24時間開放
- 無料
階段を上りきると、自由公園の広場に出ます。自由公園は1888年、租界に住む外国人のために各国の外交官が共同でつくった「各国公園」から始まった、韓国初の西洋式公園です。1914年に「西公園」、1945年の解放後に「万国公園」と呼ばれ、1957年にマッカーサー将軍の像が建てられて今の名前になりました。18 丘の上には1982年に建てられた韓米修交100周年記念塔があります。公園は24時間開いていて、入場は無料です。19
展望デッキからは仁川港の内港を見渡せます。冬の寒い平日の午後に訪れたある旅行者は、下の通りや中華料理店の前には人が多かったのに、公園まで上ってくる人はわずかだったと書いています。20 上り坂がつらいときは、公園は省いてもかまいません。階段を通らずに公園へ上れる道があるかは確認できていません。
済物浦倶楽部は昼休みの前に
済物浦倶楽部
- 09:30 ~ 17:30
- 12:00 ~ 13:00は昼休み
- 月曜休館
- 無料
公園から海のほうへ下る途中に、白い壁の2階建ての建物があります。1901年、租界に住むアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ロシアなどの人々が親睦のために建てた社交クラブです。1953年から1990年までは仁川市立博物館として使われ、今は無料で見学できます。21
館内には社交室や図書室、ビリヤード台があり、現在の教育支援庁の場所にはテニスコートがあったそうです。正面中央の張り出した部分はかつての入口で、そこから2階へ上がる外階段は、日本統治期の末に道路が通されたときに撤去されました。建物の横の空き地には各国租界の境界を示していた標石の複製が立っていて、本物は仁川市立博物館が所蔵しています。22 下の写真の右側にある案内板が、その標石の方向を指しています。
仁川市の英語の観光案内には、12時から13時までは昼休みで閉まると書かれています。先ほどの時間の例で済物浦倶楽部を12時前にしたのはそのためです。23

博物館は一館にしぼります
済物浦倶楽部から下りると、新浦路23番ギルに旧銀行の建物が2棟並んでいます。開館時間も入場料も同じなので、選ぶ基準はテーマだけです。開港後の仁川の大きな流れを知りたいなら仁川開港博物館、失われた建物も含めた街並みに興味があるなら近代建築展示館を選んでください。両方見ることもできますが、その分だけ市場とアートプラットフォームで過ごす時間が減ります。
開港の歴史なら仁川開港博物館
仁川開港博物館
- 火 ~ 日 09:00 ~ 18:00
- 入場は17:30まで
- 大人500ウォン
旧日本第一銀行仁川支店の建物で、中央に小さなドームをのせた石造建築です。砂と砂利、石灰を除く建築資材は、すべて日本から船で運んで建てたといいます。24 仁川市の有形文化遺産で、2010年から博物館として使われています。四つの常設展示室では、1883年の開港後の仁川港、1899年に開通した韓国初の鉄道である京仁線、各国租界の街並みを再現した立体模型、銀行時代の資料を順に見られます。25
建物と街並みなら近代建築展示館
仁川開港場近代建築展示館
- 火 ~ 日 09:00 ~ 18:00
- 入場は17:30まで
- 大人500ウォン
隣は旧日本第十八銀行仁川支店の建物です。壁や屋根の構造、銀行の金庫がそのまま残り、2006年から展示館として使われています。現存する近代建築と失われた建物を縮小模型と映像で紹介しているので、歩いてきた坂や通りをもう一度たどれます。26
新浦国際市場で遅めの昼食
新浦国際市場
- 店舗179軒
- 通路にアーケードの屋根
博物館の通りから新浦国際市場までは、直線で600メートルほどです。市場は19世紀末、済物浦で魚を仕入れて売った商人たちから始まりました。1929年と1932年に水産物と青果の公設市場が相次いで開かれ、1970年に新しい商店の建物ができて今のような常設市場になりました。現在は179軒の店が集まり、タッカンジョン(甘辛いたれをからめた鶏の唐揚げ)とコンガルパン(中が空洞のパン)が名物です。商人会の会長は、新浦洞がチョルミョン(弾力のある冷たい麺)発祥の地だとして、新しいチョルミョンのメニューを開発していると話しています。27
通路の上にはアーケードの屋根があるので、雨の日の昼食にも向いています。市場の中の新浦国際市場支援センターには休憩スペースがあり、公衆トイレも広くなったそうです。28 仁川市は済物浦倶楽部にもトイレがあると案内しています。29 店ごとに定休日や営業時間が違うので、行きたい店が決まっていれば事前に確認してください。
アートプラットフォームを通って駅へ
仁川アートプラットフォーム
- 港の旧倉庫を改装した芸術空間
- 仁川駅まで直線500メートル
市場から仁川駅のほうへ戻る途中に、仁川アートプラットフォームがあります。仁川港の物品保管倉庫を文化芸術空間に改装した場所で、赤れんがの建物の間に道が通っています。30
2026年10月29日から11月15日までは、プロジェクトスペース(E2)で台湾出身の滞在作家SHIU Jui-tszの個展「幕間」が開かれます。作家が、商人たちが帰ったあとの新浦市場や国際旅客ターミナル近くの魚市場を訪ねて観察した風景をもとにした作品5点が並び、立ち寄ったばかりの市場とつながる展示です。火曜日から日曜日の11時から18時まで開き、月曜日は休みです。31 会期を過ぎてから行く場合は、公式サイトで現在の展示を確かめてください。

写真のイチョウは2019年11月23日の姿です。山林庁は今年のイチョウの黄葉の見ごろを全国的に10月30日ごろと予想していますが、仁川だけの予想日は出ていません。32
アートプラットフォームから仁川駅までは直線で500メートルほどです。丘を省けば全体で45分ほど短くなり、博物館を両方見れば1時間ほど延びます。その日の足の具合と天気に合わせて、立ち寄り先を減らしたり足したりしてください。
場所と利用情報
- 済物浦文化財団「仁川開港博物館 利用案内」(韓国語)
- 済物浦文化財団「近代建築展示館 利用案内」(韓国語)
- 済物浦文化財団「博物館・展示館 観覧案内」(韓国語)
- 仁川ツアー「都心の徒歩コース 開港場」(韓国語)
- 韓国観光公社「Incheon Jayu Park」(英語)
- 韓国観光公社「Jemulpo Club」(英語)
- 仁川広域市「Jemulpo Gurabu」(英語)
- 仁川アートプラットフォーム「SHIU Jui-tsz 個展 幕間」(韓国語)
- 国家遺産ポータル「清・日租界地境界階段」(韓国語)
- 大韓民国歴史博物館 現代史アーカイブ「現代史の現場 チャイナタウン」(韓国語)
- 国立民俗博物館ウェブマガジン「仁川チャイナタウン」(韓国語)
- 京畿日報「済物浦区・永宗区・黔丹区の発足」報道(韓国語)
- 京仁日報「仁川地域遺産シリーズ 各国租界地階段」(韓国語)
- 京仁放送「清日租界地の階段」報道(韓国語)
- 仁川トゥデイ「清日租界の階段と虹霓門」(韓国語)
- 世界日報「仁川開港場の徒歩旅行」記事(韓国語)
- 仁川日報「仁川伝統市場ラプソディ 新浦国際市場」(韓国語)
- プレシアン「仁川開港場公営駐車場の運営」報道(韓国語)
- 京郷新聞「山林庁 2026年の紅葉予測」報道(韓国語)
- Korea Insider「仁川チャイナタウンの口コミまとめ」(英語)
- xtintina「Incheon Chinatown and Jayu Park」(英語)




